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tangram4 - The Emblem Game プロローグ  


 2014年8月6日「アメリカン・タイムズ」より抜粋(和訳)

「全長 41メートル! 中国で世界最大の恐竜が発掘される」
 発掘チーム代表 ウォン・ミン(王明)氏の会見インタビュー より

  ( 中略 )

「──以上の様に、全長41メートルに及ぶ世界最大の恐竜を" 黄金雷竜 ”と名付けました。1886年にニューメキシコで発見された" セイズモサウルス "の全長が40メートル。今回の発掘調査結果により、この記録を1メートル上回った事になります。これほど巨大な恐竜の化石を偉大なる中国大陸で発掘出来た事は非常に幸運でした。関係者の方々に感謝を申し上げます。

 私の優秀なチームにより、生物は自然環境に適応して進化を続ける途中において、宇宙人、リトル・グレイの様な容姿を持つ爬虫類型人類、または両生類型人類へと分岐して進化をしている可能性も高いという調査結果も出ています。

 先日の報道を賑わせた、アメリカの女子高生が発見したリトル・グレイの正体に関する見解については、素人の見当違いも甚だしく、研究結果として全く幼稚な印象だと言わざるを得ません。全ての可能性をさらに深く調査するべきであり「宇宙人は存在しない」等の偏見的な結論を早急に出すべきではないと考えております。

 今回の" 黄金雷竜 "の発掘調査はひとつの結論を導き出しました。その結論とは、アメリカや日本ではなく、我が偉大なる中国大陸にこそ本物の科学者が、本物の研究者が、本物の歴史が存在するという真実です」






  2014年8月6日 ─────  On Twitter




 riry_usa

  |/// |-ω-*)ノ | ///|Hello...


 tomohirock-tokyo

 @riry_usa どーした? 珍しく元気が無いね。


 riry_usa

 わかる?


 tomohirock-tokyo

 @riry_usa 何があったんだい?


 riry_usa

 恐竜に踏まれてペタンコ


 tomohirock-tokyo

 @riry_usa 何だって?


 riry_usa

 リトル・グレイの正体を発見したあの夜の事、まだ憶えてる?


 tomohirock-tokyo

 @riry_usa 君が焼いたクッキーが素晴らしく美味しかったのは憶えてるよ。


 riry_usa

 @tomohirock-tokyo 気分アガってキター! Thanks! 


 tomohirock-tokyo

 @riry_usa 科学的にリトル・グレイの正体を解明し、君は脚光を浴びた。それが、どーしたって?


 riry_usa

 @tomohirock-tokyo リトル・グレイの存在の可能性を中国の学者が再び示唆したの。恐竜学者の専門は化石の発掘でしょう? 私を例に挙げてアメリカと日本の批判まで


 tomohirock-tokyo

 @riry_usa ふーん。中国の恐竜学者がなぜそんな発言を? 


 riry_usa

 @tomohirock-tokyo 私を引き合いに出して中国政府にゴマを剃り始めた。研究予算でも上げてもらおうとしてるのかしら


 tomohirock-tokyo

 ふーん。世界最大の恐竜、か。


 riry_usa

 @tomohirock-tokyo より大きければ偉いの? より古ければ偉いの? あのアメリカン・タイムズ紙を使ってレディの顔に泥を塗るなんて。失礼すぎると思わない? 


 tomohirock-tokyo

 @riry_usa 君の高いIQなら新しい見解を示す事は可能だ。耐えるか、超えるか、覆すか。君が君の未来を選べば良い。で、どーするつもりなんだい?


 riry_usa

 @tomohirock-tokyo 黙ってはいられない。一方的に汚されたプライドだけは返してもらいたいわ。当然でしょ?


 tomohirock-tokyo

 @riry_usa 当然だ。


 riry_usa

 @tomohirock-tokyo でもこれは現実問題。理想論なんかじゃない。それに恐竜時代なんて二億五千万年も昔だし!


 tomohirock-tokyo

 @riry_usa リリィ。戦争はどちらも正義なんだ。正義と正義をぶつけ合うから戦争になるんだ。静観しているのもひとつの選択肢だよ。


 riry_usa

 @tomohirock-tokyo いいえ、Neverよ。一方的に泥だらけの手袋を投げ付けて来たのは向こう。引き下がるわけには行かない。でも、今の私にはすべてが足りない。恐竜学? 古生物学? とにかく今日から何万年掛かっても猛勉強するからっ!


 shi-nakun

 @riry_usa  ( o^-' )b グッジョブ


 riry_usa

 @shi-nakun まだまだこれからなの! 恐竜について何も知らないしー


 tomohirock-tokyo

 @riry_usa リリィ。ちょうど近くの駅に降りたところだ。GPS(位置情報)はOFFにしてツイートした方が安全だよ。さぁ、これから君のプライドを取り返しに行こう


 riry_usa

 @tomohirock-tokyo  今すぐ? 夏休みの予定とか吹っ飛んだ!!!! \(@o@)/早っ!!!!






 

 tangram4 - The Emblem Game 〜 第一章 リバーサイドの幻想
 



──── 2013年 2月 28日 
     某警察病院 駐車場

 

 覆面パトカーの窓ガラスが車外から数回ノックされた。椎名刑事が助手席のドアを内側から開けると、診察を終えた赤沢美花が車内に乗り込んだ。

「ただいま。緊張状態が続いて血液の循環が悪くなっていたそうです。温かくしていれば回復するそうです。あ、書類は後日送付するとの事で」

「了解。リラックスできる場所でも寄って行きますか。温泉とかスーパー銭湯とか」

「良いですね。でもお仕事中ですから」

「今日はもう休日扱いって事で、岩倉さんから。気にしないでください。最近の銭湯はすごいんですよー」

「もう夜だし、開いてますか?」

「朝まで営業しているところが近くにあった様な。ちょっと向かってみますか」







 ─── 数分後



「あれ? 道を間違えたかな? キャンプ場みたいな場所だな、ここ」

「さっきの交差点まで戻った方が良いかも」

 路肩に停車中の宅配ピザのスクーターを追い越した。

「あのピザ屋さんに場所を聞いてみます」

 椎名刑事が数メートル先の路上へ覆面パトカーを一旦停車した時、スクーターが転倒して短い叫び声が聞こえた。

「わ、危ない。ちょっと行って来ます。美花さん、ここで待っていて下さい。寒かったら後ろに防寒着が──あった。このジャンパーを着てください」

「あ、はい」

 椎名刑事は覆面パトカーから降りた。

「大丈夫ですか?」

 椎名刑事が駆け寄ってスクーターを起こす。

「これで良し、と。ちょっとお伺いします。この辺りに、スーパー銭湯とか」

 ピザを配達していた少年は興奮しながら車道の脇に続く草むらの中を指差した。

「なんか今、何か変な奴が荷台に飛び乗って来て、配達中のピザを持って行かれて」

「ええっ?」

「この荷台がボロいんっすよ、店長にも言ってるんっすけど」

 少年は早口で自分には非が無かったと繰り返す。

「宅配ピザを持って行った?」

 椎名刑事は反射的に草むらへ向けた目を凝らす。スクーターのヘッドライトと月明かりの中、茂みの中を何者かが逃げて行く。生い茂る雑草の中を遠ざかるピザの箱が見え隠れする。

「──待てっ!」

 椎名刑事は駆け出した。物音に振り向いたピザ泥棒の特徴を椎名刑事は見逃さなかった。

 ピザ泥棒はなぜか全身がずぶ濡れだった。とても小柄な体は月明かりをテラテラと反射している。

 (子供?)

 頭頂部だけが禿げていて大きな両目。

 (老人?)

 後ろ姿は野生の環境に適応しながら育った遺伝子の違いを漂わせていた。かすかに見えるシルエットで判断する限り人間の容姿では無い。手足が細すぎる。

 ひとつの結論に至り、思わず立ち止まる椎名刑事。

「違う── 河童だ」

 バシャン! と何かが飛び込む水の音が響いた。川面に浮かび上がる頭と白い箱。椎名刑事は生い茂る雑草に足を取られて追い付けなかった。川を渡り切って対岸へ上がったその生物は、潰れた箱を抱えたままで一瞬立ち止まり、追手が来ていない事を気配で察知すると森の奥へと姿を消した。

 「──見失った」

 「椎名さん」

 異変に気が付いた赤沢美花が車外へ飛び出した。

 椎名刑事は川面に残った微かな波紋を見つめながら情報を整理する。たった今、追い駆けたあの生物は何だったのか。何度も振り返りながら草むらへ引き返す。椎名刑事が再び路上のアスファルトを踏む頃には近所から野次馬が集まっていた。目が暗闇に慣れたせいでスクーターのヘッドライトが眩しい。野次馬の中の老人が椎名刑事と赤沢美花の元へ歩み寄り、そしてつぶやいた。

 「河太郎じゃ」

 「──何です?」

 「今のは河太郎じゃ。江戸時代からのぅ、この辺りの森や川に棲んでおる水神様だ」

 「水神様。河太郎。間違いない、河童そのものでした」

 「え? 椎名さん、河童を?」

 「悪い事は言わん。もう夜も遅い。水神様を怒らせる前に帰った方が良い」

 老人が忠告を終えて歩き出した時、椎名刑事の濡れた革靴の上に一匹のカエルが飛び跳ねた。


 

─────────  第二章に続く!



この作品は完全にフィクションであり、個人的な趣味の域を出ない素人作家の創作です。実在する団体名、固有名等も登場しますが、作者が作品を脚色するためのイメージとしてお借りしているものであり、ご当人様とは全く関係は御座いません。悪意などは全くありません。当事者の方、または関係者の方からのご指摘等御座いましたら、お手数ですが管理人のツイッター(@BG_NOW)までご一報下さい。登場シーンはすべて削除させていただきます。また、この作品は謎解き小説ではありますが、これまでの常識を超越してしまうほどの世界的発見や衝撃的な見解が展開されるシリーズです。内容が凄すぎるために読後の人生観が変わってしまう危険性を含んでいます。どーぞ、ヘルメットとシートベルトを着用の上、自己責任でお楽しみください。振り落とされずに読了出来た方のみ、あとがきでお会いしましょう。作者:トモヒロック


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